どうやら、カスタマイズ性という自由を求めるギークのApple製品への評価は低いようだ。
Appleは、十分に検討したビジョンやユースケースを明確に提示するのみであり、それに賛同できないユーザを切り捨てている。これはGoogleのような他のハイテク企業と対照的なところだと思う。
これは「Creative Selection」と呼ばれる考え方で、ビジョンの検討と決断に労力がかかるが、必要な開発リソースが最小限で済むだけでなく、ユーザーの選択コストを低減できるという大きなメリットがある。
Appleがスマホやタブレットからイヤホンジャックをいち早く廃止したのは、イヤホンは無線の方が絶対にいいというビジョンをいち早く示したということであり、配線が絡まった有線イヤホンをスマホに挿して使いたいイかれたユーザーなどはじめから相手にしていないということだ。
カスタマイズ性の低さは、前近代的なユースケースに固執するユーザーや、自由を求めるギークにとってはマイナスに映るだろうが、いずれも少数派だろう。
Apple製品の愛好家は、ビジョンにお金を支払っているのであって、コンピュータにお金を支払っているのではない。そういう意味では高価格であることは合理的だと思う。
今後、Appleを投資先から外すことがあるとすれば、それは、洗練されたビジョンが提示できていないと感じた時だと思う。